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日本太鼓と学校教育-4]

 

今回は、(財)日本太鼓連盟京都府支部長であり、「大和の響き・京」の代表者である富治林浩氏から、小・中学生を対象に日本太鼓を指導した体験を寄稿していただきました。

 

小・中学生への太鼓指導で感じたこと 大和の響き・京 富治林浩

昨年10月、京都府中宮中学校において、生徒600名を対象に京都府支部加盟の太鼓チーム3団体が協力して視聴覚行事・文化講演を行いました。内容としては「太鼓文化と生活文化」と題して30分の講演を行い、伝統曲を中心に太鼓演奏を60分、生徒を中心に教師が加わっての体験演奏を10分行いました。

生徒の体験演奏については、開催日の3日前にワークショップを2時間行い「豊年太鼓」を1曲練習しました。本番までの間、生徒達が自主的に集まり練習を重ねた様子で、本番では心も体も精一杯の表現で、本当に楽しそうに元気なパフォーマンスを見せてくれました。会場の600名の生徒達からも自然にテンポに合わせた手拍子が湧き出し、会場全体が一体となって盛り上がり、太鼓は「技より心」の意味を再確認させられました。

校長先生をはじめ教師の方々も太鼓に大変興味を持っておられ、2002年からの中学教育課程に向けて、太鼓の持つ教育的要素に改めて注目された様子でした。

演奏終了後、私たちの控室にたくさんの生徒がやってきました。特に2、3年生の生徒達から「2002年だと私たちは太鼓が出来ない」ととても残念そうでした。そして、早く太鼓クラブを作ってほしいと校長先生に訴えていました。私たちメンバーも単に見せる、聞かせるだけの舞台ではなく、600名の生徒と一体となり、感動を共に出来た楽しい時でした。本当にあっという間に100分は過ぎてしまいました。

また、その2週間後に、京都府青年会議所主催の青少年文化教室(小学生約300名を対象)が行われ、前回の中宮中学校文化公演と同じ内容で100分の公演を行いました。今回の対象が小学生であったため、主催の青年会議所の方へ「本当に2002年から中学校で太鼓をするようになるのか」「太鼓を習いたいので紹介してほしい」などの問合せが多くあったようです。これからの日本太鼓の持つ意義の大きさと深さを改めて実感しました。

 

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(中宮中学校生徒による体験演奏)

 

秋の叙勲で財団関係者が受賞

 

吉野当財団前会長(前府中市長)が勲三等旭日中綬章を受章

秋の叙勲で当財団の前会長吉野和男氏が勲三等旭日中綬章を受章されました。この章は、吉野前会長の幅広い分野でのご功績が評価されたものであり、太鼓関係者にとっても大変名誉なことであります。

心よりお祝い申し上げます。

 

山内令子理事が藍綬褒章を受章

当財団の理事であり、静岡県・富岳会の理事長である山内令子氏が、秋の叙勲で藍綬褒章を受章されました。この章は、山内令子理事の長年にわたる日本太鼓を使用した知的障害者に対する療育等を含む活動のご功績が評価されたものです。この受章は、太鼓界にとっても今後の大きな励みとなります。

心よりお祝い申し上げます。

 

 

 

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