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[蒸発による潜熱量]

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BはBowen比で、水温Tw、気温Ta、飽和蒸気圧e(Tw)および水蒸気圧e(Ta)により、

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3] 海域の地形とメッシュ分割

海上保安庁刊行の海図(NO.1061、1062、1065、1086、1087、1088)の資料から海岸地形をコンピュータに入力した後、海域を計算メッシュに分割し、メッシュ幅は500mとした。こうして海域をメッシュ分割した後、各格子点上に水深データを与え海底地形を数値化した。東京湾は湾奥から流入する大河川水の影響で鉛直密度循環(上層流出、下層流入)が発達し、夏季には水深10〜15mの中層部に顕著な密度成層が出現する。この特徴を考慮して鉛直方向に10層を設けた。層区分は表4.3.1のとおりである。

 

4] 計算条件

a 潮汐

東京湾では半日周期の潮汐(M2およびS2潮)が卓越する。このうち、M2潮が平均中潮に相当する潮位条件であり、本解析ではM2潮を対象とするシミュレーションを行った。

また、日本沿岸潮汐調和定数表(海上保安庁)を利用して、千葉県岩井袋港(振幅35cm、位相148.5°)と神奈川県城ケ島港(振幅38cm、位相146.0°)の値を基に境界の各メッシュ上に潮位データを与えた。

b 湾口の水温・塩分条件

千葉県と神奈川県の公共用水域水質測定結果に記載された東京湾湾口の水温、塩分を参考に、シミュレーションの境界条件を春季は4、5月、夏季は7、8、9月、秋季は10、11月、冬季は1、2、3月の平均値によりそれぞれ設定した。

c 流入河川と流量

沿岸から東京湾に流入する河川や工場・処理場からの直接流入として、本シミュレーションでは44河川と119の直接流入を考慮した。主要河川については流量年表(日本河川協会)より春季は4、5月、夏季は7、8、9月、秋季は10、11月、冬季は1、2、3月の平均値を設定し、他の河川については「新海面処分場建設事業環境影響評価書(東京都:平成6年8月)」の年平均値を参考に設定した。また、流入水温については公共用水域水質測定結果を参考に設定した。

d 気象条件

海上風については、日本気候表その1(気象庁)と東京湾横断道路流況解析工(平成3年12月)に基づき、横浜、東京、千葉、館山および川崎、木更津、湾中央部(平成2年度の毎時値)における月別平均風速、最多風向から東京湾上の海上風系を推定した。その他の気象要素についても日本気候表その1を利用した。

 

 

 

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