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ここで、eは乱流エネルギー密度、Lは混合距離に相当する乱流の散逸度、そしてmはパラメータ。ここでは、混合距離Lは境界層理論に基づく経験的な双曲線応答式、eについては輸送方程式から決定するという1方程式乱流モデルの方法を選んだ。

最後に塩分と温度については、海底で拡散フラックスをともにゼロ、海面では塩素量のみ拡散フラックスをゼロとするが、温度については接水気層との熱交換を次式で計算し、表層への受熱フラックスとした;

Q=Qs-Qb-Qh-Qe

ここで、Qは海面を通じての正味の受熱量、Qbは海表面からの逆輻射量、Qhは顕熱量(対流により大気と海面の間を出入りする熱交換量)、Qbは潜熱量(蒸発・凝縮による熱移動量)を表わし、気象要素からそれぞれ次のように求められる。

 

[吸収日射量]

Qs=(1-γ)[1-(1-K)n]×Qs0

ここで、Qs0は完全晴天時の海面日射量、γは海面の反射率、nは0.1単位の雲量、Kは太陽高度。

 

[有効逆放射量]

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ここで、Twは水温(℃)、Taは接水気温(℃)、θw=273+Twは絶対温度(K)、e(Ta=f・es(Ta)は大気の蒸気圧(hPa)、fは相対湿度、es(Ta)は温度Taにおける飽和蒸気圧(hPa)、nは0.1単位の雲量。飽和蒸気圧es(Ta)の計算はGolf-Gratch式による。

 

[乱流熱伝達量]

Qc=Kc(Tw-Ta)

Kcは乱流熱伝達量係数で、経験的に海上風速W(m/s)に比例するとして、

Kc=2.77×10-4(0.48+0.272W) (cal・cm-2・S-1・℃-1)

 

 

 

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