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【国際緊急援助活動】

 

海上保安庁の国際緊急援助活動

総務部国際課国際協力係長

野口英毅

 

1. 国際緊急援助活動の流れ

国際緊急援助隊は、昭和62年8月「国際緊急援助隊の派遣に関する法律」に基づき設立された。その活動は、1]救助活動、2]医療活動及び3]災害応急対策及び災害復旧活動の三つに大別されており、当庁では、そのうち救助活動及び災害応急対策及び災害復旧活動に派遣されることとなっている。また、国際緊急援助活動のための人員や機材等の輸送も当庁巡視船や航空機で行えることになっている。

国際緊急援助隊の派遣は、被災国政府又は国際機関からの要請に基づき派遣されることになっているが、派遣については外務省が関係省庁と協議して決定し、国際協力事業団が派遣業務等を行うこととなっている。その流れを図1に示す。

当庁では、迅速かつ的確な国際緊急援助活動が行えるよう、主要派遣対象船舶・航空機をあらかじめ定めており、また、要員についても候補者を指名している。現在では、「みずほ」「やしま」「そうや」「えちご」「りゅうきゅう」及び「さつま」が主要派遣対象船舶に、また、「ファルコン」「YS11」及び「ベル212」が主要派遣対象航空機に指定されている。要員では、派遣対象船舶及び航空機の運航要員のほか、本庁職員(一部)、特殊救難隊、機動防除隊、潜水士(一部)及び通訳要員が指名されている。これらの船舶、航空機及び要員については、派遣決定から発動までの期間が、巡視船で5日以内、航空機及び要員で2日以内となっているが、最近の救助チームの実績を見ると発災後24時間以内に出発しており、一層の迅速化が図られている。

派遣された緊急援助隊は、被災国の災害対策本部等で関係者と打ち合わせしながら活動を行う。救助チームでは、外務省の団長の元に消防庁、警察庁の職員と共にチームを組んで活動する。専門家チームについては、海保単独で派遣、活動する場合もある。

 

 

 

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