まえがき
ライフ・プランニング・センターの“ピースハウス”は、富士山を望む神奈川県中井町にあるベッド数22のホスピスです。
ホスピスとは、進行したがんで積極的な治療の効果が見込めない患者さんに、いのちのつづく限り、質の高いケアと療養に適した生活の場を提供する目的でつくられた施設をいいます。
いまではみなさんも、ホスピスとはどういうところかご存知でしょうが、ピースハウスがつくられた1993年には、日本ではまだ数施設を数えるにすぎず、独立した施設としてあるのはわたしたちのところだけでした。病院に付設してつくられるホスピスは、一般に“緩和ケア病棟”といわれています。
ホスピス発祥の地イギリスと、緩和ケア病棟や自宅でホスピスケア(緩和ケア)を提供するアメリカやカナダ、オーストラリアなど、いくつもの国でいくつもの施設やケアの実際を視察して、その上で日本にふさわしいホスピスとはどういうものかを考えてつくったのがわたしたちのホスピス、ピースハウスです。