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どのようにして尿を溜め、尿を出すことが出来るのでしょうか―

神経と筋肉の働きについて

 

人間は鳥や牛馬と違って、排尿を我慢することができます。この尿を自分の意思で我慢したり出したりすることができるのは、大脳の前頭葉で調節されているからなのです(図1)。排尿を我慢しなければならないときは、膀胱の知覚神経からきた尿意を抑え、膀胱の収縮を抑制する命令が脳から出されます。

この命令は大脳皮質から、延髄の橋という場所にある上位の排尿中枢を介して、脊髄へと伝わります。橋には膀胱の収縮を促す核と、弛緩を司る核が隣接して存在しています。それぞれの核には同様に尿道括約筋の調節を行っている核が隣接しています。膀胱や尿道の調節を行っているこれらの核の間には密接な連絡があり、これらの調節の下に尿を保持したり、出したりすることができるのです(図2)。

橋からの命令経路の中の1つは、脊髄の最下端部(仙髄)にある下位排尿中枢から骨盤神経を通って膀胱に伝わり、膀胱の筋肉(不随意筋)の収縮が抑制されます(副交感神経)。また、仙髄から出ている陰部神経を介して、尿道括約筋(随意筋)に伝わり尿道を締めます(体性神経)。

 

 

 

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