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無責任なことを言っているようですが、実際にはそのときに何とかなっていることが多いし、前もって準備していても、万一の時には別の問題が起きて大して役立たないのです。

日常的な医療では診てくれない総合病院や一般病院も、骨折や心筋梗塞などの救急の時には受け入れてくれます。その後にリハビリが必要になったり、家での介護がむずかしい状態になれば施設や老人病院の相談に乗ってくれるでしょう。つまり、そのときになって全力投球すれば何とかなると割り切って、先行きについて思い悩まないようにする。そう思えるようになると、肩の力が抜けて楽な気持ちになるはずです。

家族は先行きを心配しますが、多くの場合これまでのほうがよほど大変だったのです。それを乗り越えてきて、相談者や援助者が付いたいま、必要なのは一日一日を大切にすることです。

とはいっても、在宅介護を使命として目的視しない話に戻りますが、自分たちの生活では介護し得なくなったら施設か老人病院に頼もうと考えている場合には、早めに手続きしたり施設や病院を見学することも大切です。自分たちも納得できる介護をしてくれるところを探すのが次の大事な仕事なのです。

 

 

 

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