(III) むすび
20世紀後半の日本では都市も地方も古いものの取り壊しと新しいものの建設が激しく進められてきた。しかし、近年、少子・高齢化の進行や地球環境問題の高まりもあわせ、自然を守り、守るべき古いものは守り、地域の特性を生かした個性的なまちづくりの大切さ、地球のアィデンティティ確立の必要性が認識されるようになってきた。私たちの進めている黒部のまちづくり市民運動はそのような文脈の中にある。
グローバル化しながらも自らのアイデンティティを保ち続け発展して来た欧州小都市のまちづくり実践例は私たちにとってきわめて示唆に富むものであった。このステップI(黒部セッション)で得たものを今次計画のステップII(海外セッション)で派遣者が実地に見聞しその体験を更に発展深化させ、本事業の目的達成に役立たせたい。
また、今次派遣では、まちづくり運動を、いつでも情報交換でき、いつでも相互交流できる「まちづくり草の根交流ネットワーク」へと発展させるためのスタートとしたい。そのためには、なるべく多くの黒部市民が現地の人々と触れあうことが必要であるし、プレゼンテーションなどを通じて黒部のことを知ってもらい、少しでも多くの人々に黒部への関心を持ってもらうことにつとめたい。
以上