日本財団 図書館


別紙(4)-3

 

092-1.gif

写真1 「ありげーたーりばてい」

船主:株式会社商船三井

船舶管理会社:エム・オー・シップマネージメント株式会社

船種:コンテナ船 竣工:1986年12月 総トン数:42,121GT

長さ:246m 幅:32m 乾舷:10m

 

本船は、香港〜日本〜北米東岸(パナマ運河経由)を定期的に往復しています。観測はこの航路の中で日本からパナマ運河に向かう航程で行い、表面海水中と海上大気中の二酸化炭素濃度、表面海水の水温および塩分を連続的に測定しています。なお、気圧、気温、風などの海上気象データは、本船で観測・通報している結果を利用しています。

海水中の二酸化炭素を連続的に測定するためには、試料となる海水を常時汲み上げて観測装置に送り込む必要があり、観測船では専用の海水ポンプが備えられています。しかし、コンテナ船をはじめとした一般船舶に観測用の海水ポンプを設置することは、困難なため、ここでは機関(空調機)の冷却用海水を試料海水として利用しています。このため、観測装置は空調機室に設置することとなり、そこでのスペースに合わせて観測装置は製作されています。

二酸化炭素観測装置は、これまでの実績から気象庁の観測船で使用している装置を原型として設計されています。ただし、航海中は観測技術者1名で保守管理を行える配慮と、本船の運航に対して悪影響を及ぼさないよう安全面への配慮を強化したシステムとしています。また、観測装置の設置作業は短い寄港時間内に行う必要があることから、装置をなるべくユニット化することにより、作業時間を短縮するようにしています。本船空調機室に設置された、観測装置を写真2に示します。

海水や大気の二酸化炭素濃度を測定するためには、二酸化炭素濃度がわかっているガス(標準ガス)を測定値の物差しとして使用します。写真には見えませんが、この部屋には標準ガスのボンベも積み込まれています。使用している標準ガスはWMO(世界気象機関:国際連合の専門機関の一つ)の濃度基準で二酸化炭素濃度が正確に測られているため、本船の観測結果と他の船舶たとえば気象庁の観測船で測定した結果と比較することを容易にしています。

092-2.gif

写真2 空調機室に設置された二酸化炭素観測装置

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION