日本財団 図書館


両観測における大気中の二酸化炭素濃度平均値の差は0.9ppmvであり、凌風丸の観測期間中における大気中の二酸化炭素濃度の標準偏差1.8ppmvに比べ小さいことが示された。同様に水温および海水中の二酸化炭素濃度でも観測期間中の標準偏差より両観測平均値の差が小さくなることから、両者における測定値は一致していると考えられる。

さらに、水塊の同一性を考慮して両観測で得られた海水中の二酸化炭素濃度の比較を行うために、両観測に共通した水温の範囲(16.3〜21.4℃)での水温と海水中の二酸化炭素濃度の関係を図5.1.1-3に示す。

 

065-1.gif

図5.1.1-3 水温と海水中の二酸化炭素濃度の関係

 

ここでは、陸起源の変化がおきている可能性のある東経145度以西のデータ、および航路が緯度方向にずれている東経160度以東のデータは除いた。水温と海水中の二酸化炭素濃度の関係式および相関係数R(図5.1.1-3に示す)は、両観測ともに強い正の相関関係を示した。この水温と海水中の二酸化炭素濃度の関係式を用いて、両観測に共通した水温範囲の最小値(16.3℃)、最大値(21.4℃)における海水中の二酸化炭素濃度を算出して結果を比較した(表5.1.1-2)。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION