日本財団 図書館


塩分は全体的に、33.7〜34.5の間で小さく変動しているが、全航路を通じてほぼ34.1であり経度分布には大きな変化はなかった。上記で述べた水温の局所的変化には、塩分も対応しており、前後の海域に比べ0.2程度塩分値の低くなる傾向が見られた。

大気中の二酸化炭素濃度は航海を通してほぼ一定で、その平均値は369.2±0.9ppmvであった。

海水中の二酸化炭素濃度は東経140度から西経177度まで、徐々に低下して、350ppmvから320ppmvまで低下した。その後、経度1度東進する毎に平均で2ppmv上昇し、西経145度で408ppmvの極大値を示した。西経145〜120度の海域では局所的な変動はあるものの、全体的に低くなる傾向が見られた。この海水中の二酸化炭素濃度の変動においても水温と同様に局所的な変動が確認できたことは、海水中の二酸化炭素濃度変化が水温変化とよく対応していると考えられる。

大気中の二酸化炭素濃度と海水中の二酸化炭素濃度の比較から、西経155度以東の海域で海洋は大気への二酸化炭素の放出域、その他の海域で吸収域であった。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION