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2.3 本観測システムの運用に際しての必要作業

 

本観測システムは運用に際して、設置から観測・データ処理に至るまで、以下のような作業が必要であった。

 

2.3.1 本観測システム設置時の必要作業

(1) 設置エリアの採寸

観測システムの設置に際しては、限られたスペースに必要な器材を設置することができるように、事前に設置場所の採寸などを行い、これに合せて器材を開発する必要がある。

 

(2) 補強・増設工事

観測システムの設置に際しては、船の動揺や振動などに耐えられるように固定金具や、重量物(ガスボンベなど)を支持するための架台および、大気取り入れ用のテフロンチューブなどを船外に設置するための支持金具を増設する必要がある。また、観測システムの設置場所まで、海水を給排水するための配管を増設する必要がある。

 

(3) 観測システム設置および、設置対象場所の条件

観測システムの設置に際しては、本船の限られた着桟時間内に作業を完了する必要があり、本船への機材の積み込み、配管、溶接工事、設置、固縛など、一連の作業計画を綿密に立てる必要がある。本観測システムでは延べ6日間程度の期間を要した。設置対象場所の必要条件および対応は以下の通りである。

●電気の供給:必要な電気容量は現状100V 30Aで、電圧の変化やノイズが少ないことが望ましい。特に精密な器材には安定化電源を導入した。

●観測用海水の供給:流量は最低10l/min以上の安定した流量が必要であり、取水口から観測システムまでの水温変化が0.5℃以内である事が望ましいため、給水管に断熱処理を行った。また、取入口に温度測定装置を設置した。

●観測用大気の導入:観測用大気の導入に際しては、本船の煙突からの排煙、居住区からの排気等の影響を受けにくい場所を考慮し、観測装置までテフロンチューブの配管等を敷設した。

 

 

 

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