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(1) 電源モニターによる観測システム消費電気容量の点検

平成11年5月に東京港から神戸港への航海期間を利用して2.2.6項(1)で前述の電源モニター装置を設置し、電源の電圧値が二酸化炭素測定装置に表示および保存される確認した。

また、平成12年1月24日東京港から1月25日神戸港への航海期間を利用して、次に示す新たな改良・付加機能について観測装置の動作を確認した。

 

(2) 海水流量値の取込および流量の安定化

観測システムが安全に安定した測定を行うために、本観測システムに導入する海水流量は、気液平衡器から分析部への浸水が起きない範囲で、気液平衡状態が得られる十分な流量に制御する必要があった。そこで、観測システムが安定した流量の海水を得られるようにするとともに、その状態を監視するために、2.2.2項(1)で前述の海水流量調整器を設置した。

海水流量値は、二酸化炭素測定装置に表示するとともに二酸化炭素濃度の測定と同期させて保存した。

本船からの供給原水流量以上の流量を得ることはできないので、原水は得ることができる最大の流量(18l/min)を流しておき、海水流量調整器により14l/minに制御するよう調整を行った。

流量調整器の動作を確認するために、原水流量を14l/minから18l/minへ急激に増加させたところ、流量変化は±0.5l/minであった。この流量変化は原水の変化後の初期に数秒間だけ起るもので、その後は14±0.1l/minと安定した。実際に086E航において、比較的大きなローリング(船の横揺れ)が発生した場合でも、安定した流量を維持することができた。

 

(3) 観測システムの一括監視

観測システムを一括して監視するために、2.2.7項で前述の観測システム監視用パソコンを設置した。観測システム監視用パソコンは二酸化炭素測定データおよび水温塩分測定データを同期して取り込み(1分間隔)、両データのバックアップを作成するとともに、データに取り込み不良が発生した場合や、停電・漏水のトラブル発生時には、その時刻と状況をバックアップデータに記録する機能を付加した。表2.2.8-1に観測システム監視用パソコンのデータ保存状況を示す。

 

 

 

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