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はじめに

 

交通は、経済社会の発展や国民生活の質的向上に大きな役割を果たしており、特に、トラック運送による充実した物流は生活に欠かせないものとなっている。一方、経済活動の活発化により、エネルギーが大量に消費され、大気汚染、地球温暖化等の環境問題の原因ともなっており、トラック運送業の積極的な環境改善への取組みが期待されている。

ISO14001(環境マネジメントシステムに関する国際規格)は、環境問題を改善するための一つの方法として注目され、環境保全に対する自社の積極的な姿勢を社会にアピールする狙いもあり、認証を取得する企業が増加している。

このような状況の中、トラック運送事業者は約52,000社あるが、そのほとんどが中小企業であることもあり、ISO14001の認証取得は24事業所とわずかである。(平成12年4月末)

そこで、トラック運送事業を対象に、環境負荷の小さい事業運営を容易に推進できるようにするため、ISO14031(環境パフォーマンス評価に関する国際規格)に準拠し、環境改善に向けた目標の設定と評価を容易に実施するためのガイドを作成することとした。パフォーマンス評価の基準には、ISO14001の考え方も参考に、企業のとるべき具体的行動指針をおり込むことを検討している。

本報告書は、日本財団の平成12年度助成事業として実施した「環境達成度自己評価ガイド作成」についての検討結果をとりまとめたものである。本報告書中の環境達成度自己評価ガイドはまだ完成したものではなく、関係者のご意見等いただきながら実効性のあるものにしていきたいと考えている。ご意見、ご要望等お寄せいただければ幸いである。

実施に当たっては、学識経験者、関係団体、産業界、関係行政機関の方々からなる「環境達成度自己評価ガイド作成委員会」を設け、指導・助言を得ながら推進した。石谷委員長はじめ、委員の方々ならびにご協力をいただいた多くの皆様方に深く感謝を申し上げる次第である。

 

平成13年3月

 

交通エコロジー・モビリティ財団

会長 大庭浩

 

 

 

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