3] 雨の日のサポート
雨の日は松葉杖の人が一番困る日である。傘はさせないし、足元はすべる危険がある。松葉杖の人にはぶつからないように、そして、隣に松葉杖の人がいたら守ってあげるようにする。
IV-5-1-4. 視覚障害者の接遇・介助の基本的配慮事項
1] 声のかけ方
挨拶するときは、見える人の方から先に声をかける。次いで握手をすると望ましい。それによって、相手はあなたの身長その他もろもろを察知して親近感を持つ。目の不自由な人の中には、全盲と弱視の人がいて、お手伝いの必要はそれぞれに異なっている。何が必要かを率直に聞くことが大切である。
2] 誘導するときの基本的事項
誘導するときは、白い杖の反対側に立って腕を貸し、見えない人の半歩前を歩く。白い杖は見えない人の眼であるから、それを持つ手をつかんだり、引いたり、押したりすることは厳禁である。
3] 階段の昇降のサポート
階段やエレベーターでは、昇るか降りるかをはっきりと説明することが大切である。
4] 案内を行うときのポイント
白い杖の人が立止まって考えこんでいるのは、方角がわからなくなってしまったときに多い姿である。方角や場所を教えてあげるときは、左、右、前、後とか、何歩、何メートルの所と正確に言うことが大切である。物の位置は、時計の針の位置で言うとわかりやすい。人によっては、手で触れて確認するお手伝いも必要である。
5] 点字について
視覚障害者というと点字を使って文字情報の認識をしていると考えがちだが、視覚障害者の中で点字を読める人は意外と少ないことを認識しておく必要がある。特に、比較的高齢になってから視力を失った方の中には、点字が読めない方も多い。会話(音声情報)での情報伝達が最も効果的である。