IV-5-1-2. 車いす使用者の接遇・介助の基本的配慮事項
1] 車いすの方が困っていたら、まず声をかける
車いすの方が困っていたら、まず本人に声をかけることが大切である。
2] 階段の昇降のサポート
階段の昇降を安全にサポートする際には、一般に手動の車いすの場合は3人以上、電動車いすの場合は6人以上で持ち上げる必要があるとされている。
まず、車いすのブレーキをしっかりかけてから、車いすを囲む。
3人の場合は左右のアームレストとフットレストの上部分2人で、もう一人がハンドグリップを持つのが基本である。4人の場合は、左右2人ずつでステッピングバーとハンドグリップ、アームレストとフットレスト上部を持つのが基本である。ただし、折り畳み式の車いすの中には持つ場所によってはフレームがはずれたりすることがあるので、本人にどこを持てばよいか確認してから持つことが重要である。
所定の場所を持ったら、声をかけあいながら一歩一歩ゆっくりと進むことが大切である。
昇りは前向き、降りは後向きが基本である。車いすの人が落ちないように気をつける。
また、手伝う人自身が腰を痛めたりしないように注意する。
3] 段差越えのサポート
基本的には上がるときは前輪を上げ、前輪が確実に段に乗ったら後輪を押し上げるという動作になる。
下がるときは、後ろ向きになり後輪を下ろし、前輪を浮かせて後ろに引き前輪を下ろすという動作になる。
4] 斜面の通過方法
斜面の通過についても基本は上りは前向きで、下りは後ろ向きで通過する。特に下りの場合には、斜度が大きい場合に前向きで通過すると車いすの暴走の危険があるばかりでなく、車いす使用者にとっても精神的負担になるので注意する。
IV-5-1-3. 車いす以外の肢体不自由者の接遇・介助の基本的配慮事項
1] まず声をかける
足の不自由な人には、松葉杖の人、義足(外から見えないこともある)の人など、いろいろの状態の人がいます。ひとりひとりの障害の状況によって介助方法が異なるので、まず声をかけて、本人にどのようなお手伝いをしたらよいかたずねることが必要である。
2] 階段の昇降、段差の昇降のサポート
腕を貸せば昇れる人、それではかえって昇れない人などいろいろあるので、どうしたらよいか、よく聞いてお手伝いすることが大切である。