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(3) 肢体不自由者(車いす以外)について

○エスカレータは比較的多くの駅で設置されているが、上下方向設置された駅は少なく、垂直移動負担の一層の軽減が望まれる。

○ホームやコンコース内での、エレベータ、エスカレータへの誘導案内が不足しているため、適切な経路選択ができず、結果的に長い距離の移動が生じる駅も多く、バリアフリールートへの誘導案内の充実についての要望が多く聞かれた。

○階段については1段手すりが多く、角形状の手すりを設置した駅も数駅みられた。また、踏面の端の色の区別がされていない駅が多い。階段通行時の移動負担軽減と転落防止のためのきめ細かい配慮が望まれる。

○ほとんどの駅で手すりのあるトイレが設置されているが、形状、設置方法への課題は多い。洋式トイレが設置されている駅は半数程度である。

○ベンチなど休憩のための設備は多くの駅で設けられているが、設置場所がわかりづらい場合や案内などが不足している場合があり、十分に利用されていない駅が見られた。

○券売機について、新しい機種はコインを複数枚同時に挿入できるものが多く、指の動きが不自由な利用者への配慮は進んでいるが、タッチパネル式も多く見られ、いくつかについては利用に抵抗感があるなどの課題が指摘された。

 

(4) 視覚障害者について

○視覚障害者誘導ブロックは一通り設置されている駅がほとんどであるが、誘導用ブロックのみでの経路誘導や施設位置案内は不可能であり、音声・音響案内を複合した総合的な視覚障害者の誘導システムの構築の必要性が多く指摘された。

○視覚障害者誘導ブロックについては、特に分岐部・屈曲部の点状ブロックの不足や設置方法の不適が多く指摘された。また、駅の内外での色や形の不統一に対する指摘も多かった。

○音響案内(誘導チャイム)については、地域によって異なる箇所(有人改札や階段など)に設置されており、初めて利用する際に混乱する可能性が指摘された。

○本年度調査では音声案内について導入されている駅はなく、早期の対策を求める要望が多く聞かれた。

○券売機では点字シールの貼付位置(ボタンの上下位置)の不統一が指摘された。また、複数社乗り入れ区間における乗換ボタンへの点字シールの不足も指摘された。

○タッチパネル式の新しい券売機について、テンキーの併設についての要望が多く聞かれた。

○触知型案内の設置されている駅は、調査実施駅の1割程度であった。数駅では音声付き触知案内板が設置されている。

 

 

 

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