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・身体的危険を認識する能力

 

また、重度の形状の変形がある場合、進行性の症状(HIV、多発性硬化症、筋ジストロフィーなど)がある場合、わずかでも通常の日常生活活動に顕著な影響を及ぼすとされた瞬間から、同法の適用範囲となる。

→ただし英国障害者委員会によれば、障害は物理的もしくは社会的障壁のために、他の人々と同等のレベルでコミュニティの生活のメインストリームに参加する機会を喪失したり、制限されたりしていることによって、特徴づけられるべきである、としている。

 

3] デンマークの障害者の定義

社会扶助に関する法(1974)によると、指導、金銭的あるいは現物支援、職業能力の開発や再獲得、ケア、特別な援助や教育的な支援の必要なものに対して、それらを給付するとしている。

障害者に関する法制は、聴覚障害者(1950)、視覚障害者(1956)、知的障害者(1959)などの特別なグループに関する特別な規則を、一般の社会的扶助、教育、医療法制に付加することに起源を発している。しかしながら、1974年の社会扶助法(Social Assistance Act)は、障害者のためだけの特別なサービスを排除し、障害者は他のグループと同じ位置付けとした。障害者と他の市民の平等の原則が、政策の基礎となった。主な法制でも、特に障害者のニーズが満たされない場合を除き、障害者のための特別な法制は存在しない。

必要な場合には補償的対策を用いて、障害者を他の人と対等の条件で学校や労働市場、コミュニティでの生活の中に統合することを目指すものである(Isling, Wiederholt, 1995.)

デンマークでは障害に関する公式の定義がないため、障害者数に関する公式の統計は得られない(Hansen1995)。助成金等、社会給付の適用基準をもとに考えることになる。

憲法第75条第2節:自活したり扶養者を養うことが不可能であり、かつ、自分又は自分の扶養者の生活費を見てくれる人がいない場合は、いかなる人も公的扶助を受ける権利を有するとされている。

 

4] スウェーデンの障害者の定義

具体的には個別の法律や計画の中で定義されている。障害はけがや病気によって生じた個人の特性ではなく、個人と環境との関係によるものである。たとえば、職業的な障害で見ると、個人の障害が、ある作業環境との関連において支障になると考えられる場合にのみ、職業的障害とされている。

これまで障害者の権利を擁護するための特別な法律は持っていない。一般の法律の中に特記事項として障害者に関する条項を設けて対応している。

→資力調査に基づいた就業に必要な自家用車購入費補助(35,000クローナまで)、および通勤に要する自家用車の改造は資力調査なしに、助成金が支給される(社会保険事務所の管轄)。

 

 

 

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