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5] DSBのハンディキャップ・サービス

a. DSBのハンディキャップ・サービスの概要

DSBのハンディキャップ・サービスは、基本的にHTのものと同様のサービスと考えてよい。異なるのは、HTの管轄以外の地方のエリアを担っているという点である。

HTの管轄エリア以外の地方の県に居住する移動制約者は、日常的にこのDSBのハンディキャップ・サービスを利用している。運行時間は朝6時から24時まで可能である。

ハンディキャップ・サービスの運行に際してDSBは社会福祉省と連携し、介助者が同乗する場合の運賃は無料とし、その分は同省から補填されている。介助者が同乗しない場合も、補助の収入として、常に介助者一人分の運賃が得られるようになっている。したがって、その補助収入を充てることにより、利用者からの運賃は徴収しない方法をとっている。

ハンディキャップ・サービスは一定の回数(法律で定められた年間104回の上限)までは無料で利用できる。

このDSBのハンディキャップ・サービスの運行は、地域ごとの輸送会社に委託して実施されている。現在はこうした会社が、コペンハーゲンのHTを除けば10社あり、DSBから地方のハンディキャップ・サービスを受託している(図4-4-3-6)。

 

b. HTのハンディキャップ・サービスとの連携

例えば遠距離の移動ではHTのハンディキャップ・サービスと連携して下図(4-4-3-5)のような利用方法が可能である。

 

図4-4-3-5 HTとDSBのハンディキャップ・サービスの連携のイメージ

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コペンハーゲン市内に住む利用者が地方の目的地に行く場合を想定する。HTのハンディキャップ・サービスの利用者が長距離の移動を希望する場合、自宅からA駅までのHTのハンディキャップ・サービスを利用する旨を告げる。同時にDSBを経由して最終目的地に行く事を伝える。HTは受け付けたリクエストをDSBに連絡する(第1段階)。DSBは利用者が列車を利用してB駅まで行く事を確認し、必要ならば駅には介助のための職員を配置する(第2段階)。この列車の利用は48時間前迄に予約が必要である。DSBは10の主要地方駅にハンディキャップ・サービスの支部を設置している。利用者の最終目的地に近いハンディキャップ・サービスの支部を通じて、B駅からのハンディキャップ・サービスを手配する。B駅に到着した利用者は、B駅に用意されたDSBが運営するハンディキャップ・サービスに乗車し、目的地まで旅行する(第3段階)。

 

 

 

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