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3. 機内でどのような援助が必要かを聞いてください。

4. PBB、PBLのどちらもが使えないような状況では、その理由を十分に説明して下さい。

5. 目的地に到着してドアサイドで車いすを受け取る場合は多少機内で待つことになることも前もって伝えて下さい。

 

3. ドアサイドデリバリーの重要性

 

今、重度障害者が航空会社に最も見直しを求めているのが車いすのドアサイドデリバリーの問題です。

車いすは障害者にとって単なる道具ではなく、身体の一部になっているものです。車いすに身体を合わせるのではなく、自分たちの身体にあった車いすに乗っている人がほとんどで、一人一人の体形に合わせてオーダーメイドされています。シートの幅、背もたれの長さ、フットレストの位置や長さなど、1センチの位置の違いが、身体のバランスを崩し、けがに結びつくことも多々あります。

例えば、首が不安定な人は空港の車いすに乗り換えると、首当てがなくて首の筋肉が弱くて頭が支えられず、介助者が飛行機への搭乗を待つ2時間の間首を支えつづけねばなりません。また自分の車いすより大きな車いすに乗せられると足がぶらぶらして足をけがすることも起こりました。

以上の理由から車いすを利用している肢体障害者の共通の問題として、原則的に車いすの乗り換えはアイルチェアーのようなやむを得ない場合で、しかも短時間に限らねばなりません。できる限り最短距離(=ドアサイド)で自分の車いすから座席(またはその逆)へ移動する必要があるのです。

搭乗時間からくる制約もありますが、諸外国の空港では車いすのドアサイドデリバリーを要望してできない例はなく、日本の優秀なグランドクルーにとっては何の問題もないことと思われます。今後、航空会社の社内規則を見直していただきたい点です。

 

 

 

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