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はじめに

 

この報告書は、競艇公益資金である日本財団の平成12年度助成事業として実施した交通ボランティア体験講座の開催内容を取りまとめたものであります。

我が国は、近いうちに世界でも例をみない高齢社会を迎えます。また、ノーマライゼーションの理念のもと、障害者の自立と社会生活への完全な参加は喫緊の課題であります。そんな中、昨年度は高齢者や身体障害者等の円滑な移動を支える交通バリアフリー法が制定されました。これから鉄道駅等の旅客施設や車両等についてはバリアフリー化が大きく進んでいくものと思われます。

しかしながらいくらハード面のバリアフリー化が進んでも、最も重要なのは、心のバリアフリーです。困った方を見かけたときにちょっと手助けする人的支援がない限り、バリアフリーの推進も絵に書いた餅となってしまいます。

当財団は設立後まもなくそのことを懸念し、施設整備の推進を図る一方、交通ボランティアの育成を目標に体験講座を実施してきました。

6年目となる本年度は、それらの成果を踏まえて山形県山形市のJR山形駅周辺及び島根県松江市のJR松江駅周辺において、講座を開催いたしました。

今回の講座も子供さんからお年寄りの方まで福祉ボランティアに関心のある方々の多数の参加があり、成功裡に終了することができました。これもひとえにご協力いただいた県、市町村、交通事業者、講師の先生方等の多大なるご協力の賜物と深く感謝を申し上げる次第です。

当財団は今後とも心のバリアフリーを推進するために積極的な事業展開を考えておりますので、引き続き関係者の皆様におかれましてはご指導ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

最後に、この体験講座の内容をまとめた本報告書が、広く国民の皆様に周知され、高齢者や障害のある方々の移動の安全性・円滑性・快適性が図られれば望外の喜びであります。

 

平成13年3月

交通エコロジー・モビリティ財団

会長 大庭浩

 

 

 

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