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第4章 今年度のまとめ

 

今年度はホーム縁端部に敷設される警告ブロック幅に関する検討を中心に行い、以下の結論を得た。

(1) 30cm幅の敷設条件においても、ブロックの検知性は概ね高いことが確認されたが、敷設幅を40、60cmと拡張すると検知性はより高まることが確かめられた。

(2) 検知性からみて最も有用なのは60cm幅ブロックであったが、既設の駅ホームの幅員等を考えると、60cm幅ブロックを縁端部に敷設するのは困難な駅が少なくない。また、階段部においては有効幅員が狭くなっている。その場合、駅毎・ホーム毎に敷設幅を変えて、対応可能なホームのみ敷設幅を広くする案も考えられるが、敷設方法の一元化の観点からは問題が残る。したがって、60cm幅ブロックを改善の「原則」とするのは困難である。

(3) ただし、ホーム縁端部へのブロック敷設幅の拡張効果が今年度の実験結果で明らかにされていることから、今後は、現在の30cm幅より拡張することを原則として検討を進める。その具体的な拡張方法は、来年度の検討(とりわけ、後述する「ホームの内・外方の検知性向上策)」に関する検討)結果を踏まえて判断するものとする。

(4) 一方、階段等から連続して敷設された誘導ブロックとホーム縁端部の警告ブロックが交わる箇所(T字部)については、誘導ブロックから警告ブロックへの切替わりの検知性が必ずしも高くないことが実験で確認された。このため、警告ブロックの検知性を高め、従来以上に安全な敷設方法への変更を図る必要があることから、警告ブロックに接したT字部の誘導ブロック3枚を警告ブロックに変更することを提案したい(図4.1)。

 

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図4.1 誘導・警告ブロック交差部の敷設方法の改良案

 

 

 

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