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(7) STC 海面反射抑制

6・4の(6)項で述べたように、PPI画面の自船近くの感度を落として、海面反射雑音をなくするものである。しかし、海面反射を消すとともに、小物標からの反射も消すことになるので下げ過ぎないように注意しなければならない。

(8) FTC 雨雪反射抑制

雨や雪の反射を小さくする調節のことで、反射信号増幅回路の接続時定数を小さくして信号の変化分だけを増幅するものである。微分回路ともいわれ時定数を小さくする、すなわち早くすることから、FTC (Fast Time Constant)といわれている。

(9) 距離測定

6・4の(7)項及び(8)項で述べたように、固定距離目盛又は可変距離目盛によって、物標までの距離を測定する。固定距離目盛による場合は、スイープの直線性がよくないと比例部分が等しくないことがあるから注意が必要である。可変距離目盛は、時々固定距離目盛と合わせて調整しておくことが大切である。

(10) 方位測定

物標からの反射映像に方位カーソルまたは電子的カーソル線を合わせて測定する。点物標にあっては、映像の中央にカーソルを合わせ、陸岸のような場合は、映像がビーム幅の半分づつ左右に拡大されていることに注意すべきである。

(11) 同調

受信する電波の周波数帯をそのレーダーが送信している周波数帯に合わせて、自分のレーダーが送信したパルスの反射波だけを探知するためのものである。通常は自動周波数調節(AFC)によって、自動的に合せるようになっているが、このAFCがないレーダーでは、これによって同調をよくとって(海面反射が最も遠くまで観測される。)受信状態を最良にする。特別な周波数のレーダー・ビーコンを受信したいとき、又は特にSART信号を探したいときなどは、この同調つまみを回して調整し、陸地や海面反射を消してSART信号だけ表れるようにすることもある。ただし、このようなときは、海岸線や他船の映像が消えるので、そのままにしておかないように注意する必要がある。

 

 

 

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