(1) 船体のマストやデリック、煙突などがレーダーのふく射ビームの障害となって、二次反射や陰を生じている場合。
(2) 船体のキールライン上に取り付けられていない場合。測定用コンパスからかなり離れた位置に設置されている場合。
(3) 煙突や排気口からの煙やじんあいなどのかかりやすい位置に設置されている場合。
(4) 他の通信用や航海用の無線機器(インマル、GPS、VHF無線電話、無線方位測定器、ロラン等)の空中線が接近している場合。
(5) レーダーの空中線部、送受信部、表示部のそれぞれが極端に遠く離れて配置されている場合。
(6) 安全についての配慮がなく、点検整備作業が行いにくい場合。
(7) 船体振動のため、各ユニットの振動が激しい場合。
(8) レーダーの空中線に信号旗用のロープなどが巻き付くおそれがある場合。
(9) 空中線部の取付けが水平面に対して傾斜している。また、ケーブルの貫通金物(以下グランドという)が船首方向に向いて取り付けられている場合。
(10) 二台装備の場合には、
(a) 相互干渉を除去するための措置が施されていない場合。
(b) それぞれの空中線ふく射角度が重なり合うような位置に設置されていて、相互干渉像が現れている場合。
〔注〕映像障害の現象
イ. 二次反射によるもの
二次反射による偽像は鏡による虚像の現れ方と同じで、マストや煙突のような電波の反射物体のある方向に現れる。(図4・1参照)
ロ. 陰によるもの
陰は空中線の位置の近くにあるマストや煙突のある方向に現れる。陰の有無を調べるには、海面反射映像を見て、その像に薄い部分か、あるいは見えない部分があるかどうかによって判断する。このような陰は常に一定の方向に現れるので判断できる。
ハ. 相互干渉によるもの
同一の周波数帯を使用する他のレーダーが近くにあると、相互干渉によって映像面に多数の斑点が現れることがある。この斑点はいろいろな現れ方をして、同じ位置に現れることはないので物標の映像と判別することができる。(図4・2参照)
前ページ 目次へ 次ページ