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いま、入力軸がθ度回転すると、誤差検出器は入力角と出力角のずれに比例した誤差信号を検出し、サーボ増幅器ではこれを増幅して、その出力によってサーボモーターを回転させる。これにより出力軸が回転し、入力角と出力角の差が零になるとサーボ増幅器への入力信号がなくなって、サーボモーターは停止する。したがって、入力軸を回路させれば入力軸の角度に応じて出力軸も回路し、つまり出力軸の角度を制御することになる。角度の差を電気信号に変換するためにはシンクロやレゾルバが用いられるが、サーボ機構では、特に制御発信器とコントロールトランスを用いている。

一例を図4・48に示す。

 

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図4・48 サーボ機構

 

コントロールトランスの回転子を回して空中線を任意の方向にむけると、空中線側にある制御発信器の回転子には交流電源が接続されているので、両者の角度θ1とθ0の差に比例した電圧Eは

E=E0 cos(θ0−θ1)

となる。この電圧はコントロールトランスの回転子に誘起され、これが誤差電圧としてサーボ増幅器に加えられる。この出力によりサーボモーターを回転させ、空中線を駆動する。この場合、空中線側の角度が進んでいるときと遅れているときとでは誤差信号の位相は逆となり、それに従ってサーボモーターも逆回転する。

 

4・7・4 ロータリー・エンコーダ方式

デジタル化されたレーダーでは、アンテナの回転角度の伝達に光学式ロータリー・エンコーダが一般に使用されている。

ロータリー・エンコーダには、アブソリュート型とインクリメンタル型とがあり、前者は電源投入時にも直ぐ角度の情報が得られるが、極めて高価格である。

 

 

 

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