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(2) 船級協会と国の検査

「海上における人命の安全のための国際条約」及び「満載喫水線に関する国際条約」においては、当該国が認めた場合は、条約上の検査、証書の発給の権限を他の団体に委任することを認めている。わが国においては、船舶の二重検査の弊害を避けるため、船舶安全法では、同法に基づく船舶検査のうち、日本海事協会の検査を受け、その船級を有している間は旅客船を除き管海官庁の検査を受け、これに合格したものと見做されている(法第8条)。そのため、日本海事協会に対しては、その検査、規則等が国のものと同等以上に維持されているよう、規則の改廃、検査の期間、内容、検査員の選任等について、運輸大臣が監督を行うようになっている(施行規則第47条関係)。

なお、これは日本海事協会にのみ与えた権限であって、外国のロイドその他の船級協会入級船の場合は、必ず管海官庁又は日本小型船舶検査機構の検査が必要である。

 

3・5・8 日本小型船舶検査機構(法第7条の2、第25条の2〜55)

日本小型船舶検査機構は船舶安全法にもとづいて、昭和49年1月に運輸大臣の許可を受けて設立された小型船舶の検査機関であって、総トン数20トン未満の船舶(国際航海に従事する旅客船、法第3条の規定により満載喫水線の標示をすることを要する船舶、危険物ばら積船、特殊船及び本邦外にある船舶を除く(施行規則第14条)の検査(特別検査を除く。)を実施する。

また、日本小型船舶検査機構は船舶用品等の型式承認物件の検定業務も実施する。日本小型船舶検査機構はその他小型船舶の堪航性及び人命の安全の保持に関する調査試験及び研究等も実施する。日本小型船舶検査機構の検査や検定は所要の知識及び経験を備える小型船舶検査員によって行われ、管海官庁が行う検査や検定に代わって実施するものである。日本小型船舶検査機構は東京に本部をおき全国各地に支部や支所が設置されている。

 

3・6 検査に関する証書及び書類(法第9〜第10条)

船舶検査の適用となる船舶は、船舶検査証書又は臨時航行許可書を受有しなければ、航行の用に供することはできない。

 

 

 

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