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(2) 標準仕様書に二つの流れ

・造船所と船主仕様書の一体化

全国の造船所と船主が同一の工事仕様に基いて、見積、工事打合せが出来ることを目差している。これに品質基準を加えるべきとの提案があった。工事仕様の表現に品質仕様を加えることは難しいので、別途工夫をする必要がある。

・造船所内管理に重点

見積等は船主仕様を基に、社内の見積基準工事仕様に分解して算出する。従って、分解された工事仕様の作成とその合成の方法に工夫が必要となる。また、過去の実績に対しても、基準工事仕様に基いた工数データ、更に材料費、工事費を含めたデータの蓄積が重要となっている。

・現在の標準仕様書

現在の標準仕様書は、両用に対処できる構造となっている。双方の観点から考察すると、仕様書文の不完全さが多々あるが、メンバー各社の協力を得て、仕様文の追加を図りたい。特に、船主仕様書の一体化については、再度、内容見直しの要望があり、向島ドック提供予定資料に基き検討をすることにした。

また、基準工事仕様に重点を置く場合は、各社独自のものを構築せざるを得ないが、その場合でも、現在の標準仕様の構造は、作業仕様に対応する工数算定、材料情報の取出しなどに役立つと考える。

 

2] 標準作業工数公式の活用について

(1) タリフと社内標準工数との関係、その他

外板取替をモデルにしたタリフと標準工数公式の算出例、錨鎖関係工事及びシリンダ開放関係工事に関する工数公式の算出例の説明をした。

外板取替の例は、重量、板厚、曲りを説明変量として作業工数を作成するもので、エクセルの[分析ツール][回帰分析]を利用した。

錨鎖関係工事及びシリンダ開放関係工事では、エクセルの[グラフ][散布図]を利用し、シリンダ開放では、更に公式を合成する形をとった。

見積工数を表形式で持つことは、具体的に数値が見られる利点はあるが、全体を考察したり、表の中間点を決めるときに不便である。また、公式の形では、工数の自動的算定の範囲が、表に比べて大きくなり、更に、標準仕様の作り方が楽になる特徴がある。

(2) 管一品加工工数公式

口径、長さ、曲り、枝本数等を説明変量として、作業分析を行い、工数実績を収集して、回帰分析をされることをお勧めする。見積の簡易化と現場作業の合理化が期待できる。

 

 

 

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