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タイ

 

新ミレニアムにおける海事産業の諸課題

 

タイの造船産業

 

1. 序諭

1999年にはタイの海上荷動量は約1億2,200万トンに達した。この貨物量は国際航路で運航される外航船の計25,192航海により輸送されたものである。

タイの商船隊は約300隻、300万DWTから成る。すなわちこの船腹量に見合った修繕船需要が潜在する。造船業はわが国の内航・外航海運を支援する要素として登場した。近代的かつ生産性の高い造船業は、海外の船主からも受注して国の外貨収入と雇用創出に寄与することができる。一方、現在から将来にわたって造船産業が存在を全うするためには、内外海運業界の顧客に依存するところが大きい。したがって海運・造船産業は相互に不可欠な要素であるといえる。

現在、タイ政府は造船業の生産性を高め、雇用を増やし、関連産業の発展と自立を促すために、造船業の振興を図る決意を固めている。

 

2. タイ造船産業の現状

(1) タイ国内には約200の登録された造船所が存在する。うち約80%は建造能力100GRT未満の小型造船所である。タイの造船企業の規模は、他の先進国の造船企業と比べてあまり大きいものではない。

 

第1表 タイの造船企業の規模

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出所:1997年JICA専門家調査

 

 

 

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