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1.2.2 設備計画の要点

設備計画の要点としては、次のようなものがある。

ア) 工作技術の進歩は新しい設備を必要とする。

イ) 新しい設備による工程のアンバランスが生じないこと。

ウ) 設備の保全が合理的に行えること。

エ) すぐれた品質、精度が確保できること。(例えば地盤、定盤は所定の耐力が十分か)

オ) 作業環境改善対策が十分であること。

力) 生産の流れが円滑にできること。

キ) 敷地面積を有効に利用できるか。

一つの設備を新替する場合にも、その投資は莫大なものとなるから、十分緻密で着実な計画の上に実行しなければならない。

設備管理とは、単に、土地、建物の財産管理面ばかりでなく、設備がいかに生産に結び付くかである。ピカピカ手入が行届いていることも結構だが、常に設備、機械類が工事の流れに調和しているかが最も重要な管理の目的である。

 

1.2.3 敷地と立地条件

小型造船所の多くは、先祖伝来の土地を受ついで、鋼造建造への転換後の現在も不合理な配置で、無理を承知で、目一パイの設備で造修を行っている。新しい土地で、合理的な配置で、近代化工場にしたいと経営者は誰もが望んでいる。しかし、高度成長の時代はともかく、最近の造船業界の環境は意のままにならないのが現状で、ここは我慢の時期である。

最近は、昔と異なり理想の土地が自由に得られる時代ではなくなっている。地価もさることながら、造船工場の特異性から、公害問題が大きくクローズアップされ、これと思う土地が得られない。

以上のことはさておき、敷地を選定する理想的な立地条件を検討するのも将来の発展への大きな課題である。一般に敷地の立地条件のポイントは下記のものがある。

ア) 気候温和で雨量が少なく、風水害の少ないこと。年間平均の最高・低気温、降雨降雪量、暴風日、平均風向、風速、季節風向(外業作業のための考慮)

イ) 干満の差、潮流、船台予定地の水深、進水、上下架作業、係留のための検討資料とする。

ウ) 地盤が堅固

所要の地耐力を確保するため、埋立地は工法により経年変化(沈下)が生ずるので注意を要する。海面のヘドロの場合、土木工事に莫大な費用を必要とする場合がある。

エ) 労働力の確保ができるか。

交通不便、通勤に長時間が必要となる。

 

 

 

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