2.3 工場配置の実例
小型船舶の造船所の工場配置(レイ・アウト)は、その建造する船舶の大小、種類および新造か修理かといった工事内容によって非常に異なっている。特に、木造船と鋼船とでは全く異なった面もあるので一概に説明できない。しかし、一般の小型船舶の造船所の大部分はその発祥の地点では、小型漁船や木造機帆船を建造または修理していたものが段々発展して大きくなり、遂には鋼船の大型のものに移行したものが多い。それだけに、場所もせまく、設備、特に船台や船架はつぎつぎに増強または増設されたものが多い。即ち、現在の規模からみると、敷地はせまく、その配置も理想からは全く縁の遠い、不合理なものになっている造船所が非常に多い。
ここに2〜3の実例を挙げてみるが、前記の意味からして、決してこれらが理想的な実例というのではなく、この程度の規模のものであるという例である。(第2.6図参照)
構造改善計画により新らしい場所に新設または移転する場合には白紙の立場で理想的なレイ・アウトが出来るが、この場合にも工場立地法その他による公害防止、衛生問題を十分考慮しなければならない。