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2.2 建造または修理する船の選び方

現在、小型造船業法の適用される造船所が建造または修理する船にはいろいろな種類があるが、これらの船のうち、自分の造船所では、どんな船を建造または修理するのが得策かについて十分に考えることが必要である。また、船の種類によっては、ただ造れるというだけではなく、新型船を開発し設計する能力をもたなければ受注できないものもある。現在の船舶は船殻だけができても、機関、電気艤装等が立派にできなくては、これまた、建造または修理の能力があるとは認められない。その意味から、防衛庁の艦艇、海上保安庁の巡視船艇は技術的にも複雑なものに属し、大型漁船がこれに次ぐ。この意味からは、貨物船や小型客船は簡単な部類になる。しかし、貨物船や客船でも高速のものは高度の技術を要求されるものもある。作業船はバージ式の簡単なものもあるが、非常に大型なものもあるので設備の規模で制約されることもある。LPGタンカー、フェリーボート、自動車運搬船のような特殊船等で建造経験の少ない型式の場合には安易にこれにとびついてはならない。漁船や客船においても同様である。

貨物船ばかり造っていた造船所が急に艤装設備や航続力の大きい遠洋漁船を手がけることは困難であるが、漁船を造れる造船所が貨物船に手を出すことは案外たやすくできることもある。しかし、こうした場合にも、漁船と貨物船とでは船価の単価がちがうし、建造に要する一般管理費も異なるので、規模の大きい造船所が単価の低い、簡単な小さい船を受注することは得策ではない。

 

小型造船所の仕事の対象となる船の一覧

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