7-2 第1次予備試験(波浪中の浮遊挙動)の結果
1) 日程・場所
1] 実施日 平成12年9月18日
2] 実施場所 横浜海上防災基地波浪水槽
2) 試験実施概要 各実験条件及び結果の概要を表1に示す。
3) 試験品
1] ジグザグ式退船システム:
プラットフォーム、降下路(FZMES-55型)
自己複正型救命いかだ(FRN-R25型)
2] スパイラル式退船システム:
プラットフォーム及び降下路(TES型)
自己複正型救命いかだ(FRN-R25型)
4) 試験結果
1] 風浪下におけるいかだ係留作業試験結果(写真1)
代表として、ジグザグ式試験品を使用し、プラットフォームから約1m離れたいかだを引き寄せ、係留する作業を行った。
波高約0.4m、風速5m/sと予定より低い風浪条件であったが、プラットフォームに救命いかだを引き寄せ、係留する作業は問題なく実施可能であった。
作業者:2名(固型式救命胴衣着用)
引き寄せ、係留に要した時間:43秒
2] ジグザグ式試験品満載荷重試験結果(写真2及び3)
水袋を使用し、プラットフォーム床面に5250kg(=75kg×70名)、救命いかだ床上に1875kg(=75kg×25名)の荷重を載せ、表1に示す波高0.4〜0.7mの規則波、不規則波及び三角波を、各2分ずつ試験品に与え、損傷等の状況を観察した。
実験No.2において、係留部の片方のロープが解けた(結び方が不十分であったと思われる)が、それ以外は、損傷等の異状はなかった。
波によるプラットフォームの最大傾斜角は、実験No.2において、最大約10度であった。また、ステーワイヤーに加わる荷重は実験No.2において、最大181kgf、係留部ロープに加わる荷重は同じく実験No.2において最大82kg(この場合、片方のロープが解けていたのでロープが2本共繋がっている状態では、ロープ1本に加わる力は、半分の41kgfと推定される)であった。
3] スパイラル式試験品満載荷重試験結果(写真4及び5)
水袋を使用し、プラットフォーム床面に1875kg(=75kg×25名)、救命いかだ床上に1875kg(=75kg×25名)の荷重を載せ、表1に示す波高0.6〜1.0mの規則波及び三角波を、各2分ずつ試験品に与え、損傷等の状況を観察したが、試験品に損傷等の異状はなかった。
波によるプラットフォーム及び救命いかだの最大傾斜角は、実験No.5において、最大約20度であった。また、ステーワイヤーに加わる荷重は実験No.5において、最大269kgf、係留部テープに加わる荷重は同じく実験No.5において最大90kgであった。
4] 超音波変位計による波高測定とビデオ記録による比較
実験No.2及びNo.5における水面の高さ変化をビデオ記録から読みとり、波高及び波周期を算出した結果を表2に示す。表1に示す超音波式変位計による測定結果と比較して、ほぼ一致した結果が得られた。