7. 予備試験
7-1 予備試験の目的
実船による海上試験は、一度限りの実施であり、また今までほとんど経験のない作業内容も含まれるため、事前にできる限りの調査及び試験状況の推定を行い、試験品の強度等を含み、本試験が安全、確実に実施できるよう準備する必要がある。
また、荒天時試験の内容に20名の人員降下試験が規定されているが、諸般の状況から、実海における実施が困難であるため、これに代わるべく、荒天時における降下状況を推定し、降下作業が安全に実施可能かどうかをあらかじめ確認する必要がある。
このため、以下の第1次及び第2次予備試験を計画した。
(イ) 第1次予備試験(波浪中の浮遊挙動)
横浜海上防災基地 訓練水槽(波浪水槽)において、波浪中における試験品の状況を調査し、以下の項目について観察、測定を行う。
a. 波浪中におけるプラットフォーム及び救命いかだの動き、又、それら接続部に加わる力を測定し、実海試験において想定される状況を推定する。
b. 波浪及び風を受けた状態におけるプラットフォーム上での作業の状況を観察し、実海試験における作業者の安全性を確認する。
c. 実海試験時に使用予定の変位計により波高を測定し、主に規則波における水面変化のビデオ記録と比較することにより、測定性能を確認する。
(ロ) 第2次予備試験(試験員降下試験)
実海における実船試験の中で、プラットフォーム作業者(耐暴露服を着用した約4名の作業者)が実際に降下路を降下することが予定されているため、試験品の荒天時における降下性能(降下路及びプラットフォームの状況)そのものは確認することができると考えられる。
これに引き続く、人員の降下状況について、荒天時試験において想定されるプラットフォーム及び降下路の挙動を推定し、人員の降下に最も影響を及ぼすと考えられる条件で降下試験を計画することとした。