10. 実船における電磁環境の実態調査
10-1 調査の概要
調査研究は、3ヵ年にわたりIEC60945第3版規格に基づき代表機種を用いて各種試験を行った。最終年度にIEC60945第3版の基準値の検証と船舶に搭載されている機器の電磁環境調査のための計測を企画した。
対象船舶は、船齢的に新しく、IEC60945の対策がなされたと思われる沿海区域、総トン数1万トンクラスのカーフェリー、更に、沿岸外来電波の影響を見るために太平洋側航路の船舶として、ブルーハイウエイの「さんふらわ つくば」を選定した。
計測は、誤作動要因調査、例えば、航行中(含、離着岸)及び停泊時等の電磁環境並びに高負荷を生じる機器(船内電源に対して予想される機器)の影響及び変動を調べるための計測、また、携帯電話や無線機を使用して制御器・計測機器等のディスプレイに対するイミニュティをチェックした。
計測結果から船舶におけるEMCの在り方についても一部言及した。
(1) 航路
茨城県大洗港―北海道苫小牧港
(2) 日程
期間は、9月8日〜9月10日
日程は、9月8日大洗港乗船、23:59出港、9月9日20:00苫小牧港入港、23:45同港出港、9月10日19:00大洗港入港
(3) 計測メンバー
東京商船大学・林尚吾教授、運輸省船舶技術研究所・樋富和夫荷役輸送研究室室長、同研究所大阪支所・山根健次主任研究官、船舶艤装品研究所・鈴木潔次長、同研究所・藤吉研究員、日本船舶品質管理協会・安部信之上席技師