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9-6 3ヶ年試験結果の考察

(1) 平成12年度の試験結果について

本調査研究は平成10年度より3ケ年にわたって行われ、8種類のイミュニティ試験と2種類のエミッション試験が行われた。最終年度にあたる平成12年度においては、伝導低周波妨害イミュニティ試験と伝導性エミッション試験を4種類の供試品について行った。これらの試験は今年度に初めて行われた試験であるが、過去2ヶ年にわたる誤作動防止対策を行ってきた内容が累積されている状態となっていることもあり、一部を除いて基準内となった。平成12年度までに実施されていた誤作動防止対策が有効であったことと考察される。基準外の供試品も電源回路にフィルタなどを追加することで基準内に収めることが出来た。

 

(2) 平成10年度から平成12年度までに行われた全試験結果について

誤作動防止のための基本対策は、誤作動の原因が調査できればその原因を除去するように防止対策を施すことである。しかし、誤作動はさまざまな原因が複合して起こっていることもあり、一種類だけの防止対策を施しても効果的に誤作動の対策ができることは少ないと考えるべきであろう。原因と推定される妨害に対して、各種の対策を講じた小さな改善効果が積み重なり累積してようやく効果が現れる場合が多い。

本調査研究で各供試品に誤作動防止対策を行ってきたが、それらの対策は次の試験を行うときに外すことはしなかった。試験毎にどの対策が有効であったのかを知るためには、誤作動防止対策を試験の1種類毎に行えば良いが、各試験には相当な時間が必要である。対策前後の計測を行うには2倍の試験時間を必要とするので、前の試験で基準内に収めるために必要となった誤作動防止対策はそのまま残すこととした。各試験の内容が異質のものであっても、また、各試験の実施順序が対策の内容に影響を及ぼす結果となることであっても、その試験以前に対策した内容は、誤作動防止対策上に必要であったから行われた必然的な対策と位置付けた。

個々の誤作動防止対策の効果を判断するための定量的な評価は、異なった機能で作動している各供試品に共通して評価できることではないので、今回は誤作動防止対策を実施した場合、そのまま残すこととした。

 

3ケ年にわたる各種のイミュニティ試験とエミッション試験を行ったが、各供試品は全ての試験に対して基準内に収まることが出来た。

 

 

 

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