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8-3 考察

本試験は4機種共、誤作動はなかった。

この試験は電源の高調波歪を模擬した信号を機器の電源回路に印加することによって電源波形を歪ませ、供試品の誤作動の有無を評価するものである。

試験結果から4機種共、電源回路の性能は本試験における電源の高調波歪による影響に耐えうるものであった。

4機種共、電源回路の役割は供試品内の電子回路に必要なDC5V〜12Vの電源を供給するものであるが、電源回路を構成する主な部品や回路が以下に示す動作を行うため、電源の一次側に印加した試験電圧の影響が2次側の出力電圧に現われず、誤作動が無かったものと考えられる。

電源トランス:一般に電源トランスは電源周波数において最大の変換効率になるように設計されているものであるため、周波数が高くなるに従って変換効率が悪くなる。そのため、電源トランスの2次側出力は高次の高調波に対しては減衰が大きいものとなり、その結果、電源トランスがフィルタと同様の作用があり、高次の高調波を減衰するものと考える。

整流回路:ダイオードと大容量のコンデンサを使用したフィルタ回路であるため、電源トランスと同じように高次の高調波を減衰するものと考える。

レギュレータ回路:出力電圧を制御するための回路であり、周期の長い電圧変動や低次の高調波を減衰するものと考える。

以上のことから10%以上の電源変動に耐えうる電源回路を使用すれば本試験によって誤作動を生じることは無いものと考えられる。

 

 

 

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