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はじめに

 

21世紀は情報通信技術(IT)革命の声と共に始まった。IT化を推進させる原動力がインターネットと携帯電話である。携帯電話は国民の2人に1台にまで普及してきた。

最近の電車内のアナウンスは周りに迷惑をかけるから携帯電話を車内で使わないで下さいと言う従来の注意に「ペースメーカーなど医療機器に悪い影響を与えることがあるので」と加えるようになった。EMC問題が専門家だけの問題でなく一般の市民レベルまでに広ってきたことを表している。

船という限られた空間内には妨害電波を発生する可能性がある電気・電子機器が多数搭載されているのでEMC問題から逃げることは出来ない。対象とされる機器はすべての種類におよび規制値は年々酷しくなってきている。

当「電磁波による舶用機器の誤動作の防止に関する調査研究」委員会は平成10年、11年及び12年の3ケ年にわたりEMCの調査研究、CEマーキングを取得する手段として代表的な船舶用搭載機器であるナブテックス受信機、電力制御装置、スピードコントローラおよび油分濃度計の4機種についてEMCの国際規格IEC60945第3版を基準とした測定評価および実船上におけるEMC環境の計測を行ってきた。

本報告書には平成12年度に行った上記4機種の伝導低周波妨害イミュニテイ試験、伝導エミッション試験の測定と引き続いて実船上でのEMC環境計測を行った結果を報告してある。

さらに最終年度にあたるので前年度までの研究結果も整理してまとめて報告書に紹介してある。

EMCへ関心を持ち対策を考え始める船舶関係者のために

・ IEC60945第3版の基準解説とセットアップ、

・ CEマーキングの手引き

・ 舶用機器EMC指令の手引き

なども記載してあるので船舶関係者にとってEMC問題を知るための有益な内容がこの報告書に記載されている。

 

 

 

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