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住宅防火と防災製品

(財)日本防火協会

 

あなたは防炎製品をご存知ですか?

そもそも、火とは何なんでしょうか?

私たちは、日々火を使って生活しています。

食事のための調理、お風呂を沸かす、寒いときには暖を取るなど火を使わなければ、私たちの生活はたちまち麻痺してしまいます。

その反面、火は私たちの日常生活を根こそぎ奪う火事となることもあります。時には尊い生命そのものを…。

だからこそ、火事を防ぐために、これまで実にさまざまな努力を試みてきたのです。

物が燃えるためには、三つの要素が必要です。

酸素、熱、可燃物の三つであり、このうちどれかひとつでも欠けても物は燃えませんし、火事も起きません。

しかし、酸素がなければ私たちは生きていけません。熱は日常生活に不可欠なものです。残るのは可燃物ですが、家の中には可燃物がたくさんあります。

可燃物の中でも、カーテン・じゅうたん・寝具や衣類など繊維製品は、とても燃えやすい性質があります。

そこで、これらの燃えやすい可燃物に着火しても燃えにくくし、火災となることを防ぐため、これらの燃えやすい性質を持つ繊維等に防炎薬剤を塗り込んだり、製造後に防炎加工をしてこれらの防炎製品は、小さな火源(マッチ、ライターの火等)が接しても炎のあたった部分が炭化(黒くこげる)するだけで容易に着火せず、もし着火しても燃え広がりません(「防炎」は「不燃(燃えない)」とはことなり「燃えにくい」ということです。)。

住宅の火事は、日常生活において小さな失火が原因となっておりますが、こうした防炎性能を持った製品は、出火の延焼拡大を防ぐ効果があります。

また、火事が例え着火物に及んで延焼拡大するとしても、防炎製品を取り入れていたことにより、それがもつ[燃えにくさ]によって避難する時間を少しでも長くすることができます。

これらのことから、住宅の火事を予防するためにも、また火災の拡大を防ぐためにも、防炎製品の活用を図られるようお勧めします。

家事の際、ついうっかり着衣に火が燃え移ることもあろうと思いますが、割烹着等の防炎製品もあり、自分の身を守るためにもできるだけとり入れたいものです。

また、最近では、オートバイ、自転車等のカーバー等への放火も多くなっている傾向が見られます。放火予防にも役立つことと思います。

 

防炎規制の沿革

昭和43年に、消防法の改正によってはじめて、高層建築物、地下街、その他劇場・旅館等のカーテン等の物品が防炎性能を有するものでなければならないことが定められました。

昭和47年の消防法の改正において、「防炎性能を有するかどうかを容易に判断できるようラベル表示により規制の徹底」が図られ、昭和53年の消防法施行令において、じゅうたん等が防炎対象物品に加えられ、現在の防炎制度の大枠が整えられました。

 

(財)日本防炎協会によれば、防炎加工されているものには、防炎物品と防炎製品に大きく分けられます。

 

 

 

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