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以下、各年代別にみる。

 

(1) 採用年

「ちょうど良い」が53.7%と最も多いが、「高い」も12.5%あり、初任給水準に対して、高いとの不満を抱いている施設の長もやや多い。

施設の種類別にみると「ちょうど良い」とする施設長がいずれの施設においても最も多くなっているが、その中で「養護老人ホーム」、「(重度)身体障害者授産施設」、で「ちょうど良い」とする割合が比較的低く、その分「低い」と認識する者が多い傾向がみられる。

「特別養護老人ホーム」に限ってみると、「ちょうど良い」が50.5%と全施設より低くなっている施設の規模別でみると、規模が小さいほど給与水準が高いとする割合が高く、逆に規模が大きいほど低いとする割合が高い。設立後年数別でみると、「5年未満」において「ちょうど良い」が他の年齢階層よりかなり低く、その分低いと認識する施設長の割合が高くなっている。

 

(2) 25歳

「ちょうど良い」が全体でみて57.0%と全年代の中で最も高い。また、「高い」と認識する施設長の比率は全年代の中で最も低い。

施設の種類別でみると、「(重度)身体障害者授産施設」が「ちょうど良い」が34.8%と他の種類に比べて格段に低く、一方「低い」とする者が52.2%と非常に高いのが特徴的である。逆に現状でよいとする意識が強いのは「身体障害者療護施設」、「養護老人ホーム」である。

施設の規模別、設立後年数別でみて階層間での違いは少ない。

「特別養護老人ホーム」に限って、施設の規模別にみると、「101人以上200人以下」で「ちょうど良い」が非常に高いのが特徴である。設立後年数別では、「5年未満」で「ちょうど良い」が4分の1しかなく、そのかわり「低い」と認識する者が5割に達している。

 

(3) 35歳

25歳と比べ、「ちょうど良い」がかなり減って5割を割り、その分「低い」と認識する施設長がかなり増加した。

施設の種類別では「(重度)身体障害者授産施設」で「ちょうど良い」が少ないのが目立っており、そのかわり「低い」との認識、特に「やや低い」でなく「低い」との認識が多いのが特徴である。

施設の規模別、設立後年数別にみても、さしたる特徴はみられない。「特別養護老人ホーム」についても特記すべき点はない。

 

(4) 45歳

すべての年代を通じて「ちょうど良い」の割合が最も低く、一方、「低い」との認識が最も高い。30歳代、40歳代に対しては、施設長として労働実態と賃金水準との間に均衡がとれておらず、もっと処遇を改善すべきと考えていることが窺われる。

施設の種類別では、依然として「(重度)身体障害者授産施設」で賃金水準が低いとの認識を示す施設長が多いが、「知的障害児施設」においても賃金水準が高くないとする施設長が多いことが目立っている。

 

 

 

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