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●公務に対する政治の影響 ・公務員の倫理と価値観の評価

●人事制度改革の課題 ・公務員に対する今後の期待・要望

●現行公務員制度の総合評価 ・総合評価(上記5項目評価の平均)

 

3 国際版調査票の集計結果

 

国際版調査票の総合集計結果は、有効サンプル総数117について、A表のとおりであった。

 

A表 国際版調査の総合集計結果

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この117のサンプルから得た総合評価値は、各国のサンプル数が10ないし20程度と少なかったとはいえ、イギリスの3.54、ドイツの3.15、フランスの3.30、アメリカの3.40、カナダの3.50に比べ、わが国の総合評価が僅かに2.81と、著しく低い点に注目せねばなるまい。新しい公共管理(NPM)を強力に推進したイギリスとカナダの評価が高かったことにも、おおいに注目したところであった。わが国の集計結果に関してとくに注目したのは、「公務員の倫理と価値観の評価」の得点が、なんと僅かに2.64に過ぎなかった点であった。近年の国家公務員の相次ぐ不祥事が、いかにわが国の公務員のイメージ・ダウンになっているか、改めて思い知らされた次第であった。しかし筆者らが見聞する限りでは、諸外国からするわが国の国家公務員に対する評価は、依然としてまだまだ高いようである。この認識の較差は何に由来し、その改善策はどこにあるのか、考えを回らせたところである。いずれ後刻の国内版調査票分析の過程で、この点にも言及する予定である。

 

II 国内版調査票関係

 

1 国内版調査票の設計

 

国内版調査票の設計に当たっては、前述の通りカナダにおける「市民第一」の調査に使った調査票を参考に、民間からみた公務員への意見を調査しようと考えた。しかし研究委員会の討議では、一概に「公務員」といっても、国民の多くは市町村レベルの公務員との接触は日常のことである反面、中央政府や都道府県職員との接触は特定業務―たとえば郵便局や警察署などの業務関係―に限られるのではないかという意見が多かった。

 

 

 

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