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当初、船体の色はそれぞれの建造所に一任されていました。そのため、同じような緑系の色の船が何隻もできてしまったのです。

ところが、青函連絡船を運用する現地局から、まぎらわしいので、各船ごとに色を変えて見分けやすいようにしてほしい、との強い要望が出され、協議の末、とうとう一番若い羊蹄丸IIが進水後に塗り替えられてしまったのです。ちなみにこのエンジ色は、昭和33年(1958)11月、東海道本線に登場した初の電車特急こだま号の窓周りの色です。

 

船にも番地があるの?

船は動く“社会”といわれるように、船内にはあらゆる装置がぎっしりとつまっています。自らを走らせる推進装置、迷わずに目的地に着くための航海設備、目的地に着いてから荷物の上げ下ろしをする係船・荷役設備、自らを守る救命・消防施設。そして旅客設備を含め、人間生活に必要なものすべてがそろっています。照明や機器を動かすための電気や圧縮空気、暖房や調理に使う蒸気、それに給水・給湯に至るまで自給です。羊蹄丸IIはこれらの装置に、当時、時代の先端をいくといわれた自動制御や遠隔制御を広範囲に取り入れていました。

進水すると、これらの装置の取り付けが一せいに始まります。

船の外板は内側から、人間の肋骨のようなフレームという骨組みで補強されています。フレームは船尾の基点から船首まで、船の全長にわたって並んでおり、基点のフレームを0番として、船首に向かって順に番号が付いています。羊蹄丸IIのフレームは、船首尾の一部を除き70センチの間隔で180番まであります。

このフレーム番号は非常に便利なものです。

 

青函連絡船は当時の最新機器が使われました。

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レーダー

 

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救命設備

 

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ブリッジ(船橋)

 

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機関部

 

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点検作業中の機関部職員

 

 

 

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