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御座船“天地丸”の絵図

絵が小さいために垣立(かきたつ)や櫓床(ろどこ)が大幅に省略され、船が前後に圧縮されて描かれていますが、細部や各部の特徴はよくとらえられています。船体の中央に立つ円錐状(えんすいじょう)のものが“天地丸”の船印である金の槌(つち)、また船尾に掲げられた紺地(こんぢ)に白抜きの「む」の幟(のぼり)は、幕府の御船手頭(おふなてがしら) 向井将監(むかいしょうげん)の旗印です。『御船図(おふなず)』より。(所蔵:東京国立博物館)

 

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明治7年撮影の“天地丸”の写真

この写真は廃船から12年後の明治7年(1874)、内田九一(うちだくいち)によって撮影されたものです。内田は明治5年(1872)に新政府の依頼で初めて明治天皇の御真影(ごしんえい)を撮影した長崎生まれの写真師で、この写真も解体前に記録のため新政府からの依頼で撮影された可能性が高いと思われます。幟(のぼり)や吹(ふ)き流(なが)しがブレていて見にくいのですが、櫓(ろ)も据(す)えるなど御船蔵から引き出された後に往時(おうじ)の姿を整えてから撮影されているのが分かります。“天地丸”の姿をとらえた唯一の写真で、各部の特徴を確認できる貴重な資料です。(所蔵:東京国立博物館)

 

 

 

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