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〔川御座船〕

将軍や大名が、川で用いる御座船を川御座船といいます。水軍の主力艦をあてる海御座船と違って、川御座船には軍船としての機能はなく、淀川の過書船と同じ系統の川船に、大きくて豪華な屋形を設けて用いられました。大型の川船にしては珍しく帆の設備がなく、船を進めるには櫓(ろ)と棹(さお)を使用しました。幕府や、中国・四国・九州地方の大名が大坂に置いた川御座船は、朝鮮通信使(ちょうせんつうしんし)や琉球使節(りゅうきゅうしせつ)の送り迎えにも使われたため、船体・屋形ともにとりわけ豪華に装飾されていました。

 

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金沢貞友による宝暦3年(1753)の川御座船の図面

川御座船を得意とした大坂の船匠(せんしょう)、金沢氏の図面だけあって、屋形の細部までていねいに描かれています。縮尺1/10。

 

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川御座船(復元模型) 縮尺1/20

18世紀中期の金沢氏の図面に基づいて、復元制作した川御座船の模型です。

 

川御座船の説明図

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