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「心学開講二七〇年記念シンポジウム」あいさつ

亀岡市長 田中英夫

 

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田中英夫氏

 

日本人の心のふるさと、ここ秋の京都において、全国から石田梅岩先生を顕彰し、今に受け継がれる石門心学に造詣の深い方々が一堂に会され「心学開講二七〇年記念シンポジウム」がかくも盛大に開催されるにあたり主催者の一人として一言ごあいさつを申し上げます。

梅岩先生は、日常生活において、「人の人たる道」を説きながら、自らが「勤勉、正直、倹約、忍耐」を実践し、今日の日本の美意識・倫理観・生活様式、さらには勤勉に働くことは即ち人間修行となるという日本人の勤労観の形成に深い影響を与えました。世界に誇る偉大な思想家梅岩先生が生まれ育った亀岡市は、聖なる美しき保津川の流れ、我が身を包み込むやさしい緑の山並み、この豊かな水と緑の自然環境を活かし、また、多くの先人の知恵を生かす生涯学習によって魅力と活力に満ちたまちづくりを進めているところでございます。

平成十年に建設した総ガラス張りの「ガレリアかめおか」の中央部には、京都車屋町で開講した「心学講舎」を復元し、生涯学習施設として特徴づけています。また、同施設の管理運営を委託しています財団法人生涯学習かめおか財団では、この「心学講舎」を拠点にした生涯学習活動を活発に展開しています。

二十一世紀を目前にした今日、梅岩先生の教えを改めて評価する時と認識し、今回の記念シンポジウムに大きな期待を寄せるものであり、亀岡市といたしましても、この上ない喜びであり、意を強くいたすところです。しかしながら、大切なのはこの会場いっぱいにほとばしるエネルギー、熱い想いを、今後いかにして継続、発展させていくかであると思います。

幸いにも、亀岡市には、前市長の谷口義久氏を会長とする梅岩先生顕彰会がございまして、毎年、梅岩先生の命日にあたります九月二十四日には、生誕地の亀岡市東別院町東掛地区の生家におきまして、墓前祭行事を行っていただくなど、いろいろと顕彰にご努力をいただいております。

この顕彰会を中心に、本日お集まりの皆さま方と今後とも充分な連携を図りながら、継続した梅岩先生の顕彰が続けられていくものと期待をいたすものでありますし、もちろん市といたしましても、梅岩先生を生涯学習推進の象徴といたしておりますことから、積極的な支援をして参る所存です。

最後になりましたが、本日の二七〇年記念シンポジウムの開催にあたり、大変なご苦労をいただきました本実行委員長の上田正昭先生、東京・参前舎の小山舎主並びに関係者の皆さま、そして京都新聞社さまをはじめ、多くのご支援をいただきました関係者の皆さまに、衷心より感謝を申し上げますとともに、その教えをお互いが実践していくことを確認しあえるシンポジウムとなりますことをご期待申し上げ、さらにご参集の皆さま方のご健勝とご多幸を祈念し、ごあいさつといたします。

 

 

 

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