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JR九州は県内全線電化複線化を完了している、北九州市〜福岡市〜久留米市〜大牟田市方面の鹿児島本線、北九州市〜行橋市方面の日豊本線が内陸部と東海岸部を南下する。その他、北九州市〜田川市〜日田方面に抜ける日田彦山線、久留米市〜浮羽郡を抜けて大分に至る久大本線、吉塚〜桂川間の篠栗線、鹿児島本線の原田駅から筑豊地域を通り若松に抜ける筑豊本線、福岡市営地下鉄に相互直通し、玄界灘を西に走る筑肥線は平成12年に筑前前原までの複線化が完了した。新飯塚から田川後藤寺を結ぶ後藤寺線は、筑豊本線と日田彦山線を東西に結ぶ短絡路線である。

 

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西日本鉄道は、福岡市から南下して久留米市、柳川市を結び大牟田市に至る大牟田線、同線から派生する太宰府線、甘木線で構成する。筑豊電気鉄道は、北九州市から筑豊直方を結ぶ。福岡都市圏においては、福岡市営地下鉄1号線・2号線がJR鹿児島本線や西鉄大牟田線、宮地岳線と連絡している。

第3セクター鉄道は、基山と甘木間の甘木鉄道、筑豊のJRを引き継いで伊田線、糸田線、田川線の3線で開業した平成筑豊鉄道が通勤・通学の生活路線としての役割を果たしているが、両社とも開業以来、10余年が経過し、利用者の増加も多くは望めない状況の中で車輌等施設整備の老朽化による経費負担が課題となっている。

 

2] 今後の鉄道整備

未着工であった新幹線鹿児島ルート博多〜船小屋間がフル規格による着工が決定したことで、全線整備後は県南及び九州内の新幹線効果が一層高まるものと期待している。

また、平成9年に着工した福岡・北九州両都市圏を結ぶ基幹鉄道として篠栗・筑豊本線の電化等事業(約65km)が13年中に開業することになっており、快適な都市圏鉄道として増便、時間短縮効果が期待されている。さらに、福岡市西南部の交通対策として地下鉄3号線工事が平成17年度開業に向けて進められている。

 

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3 福岡県の観光状況について

 

(1) 概況

 

本県は、スペースワールド、福岡ドームなどのテーマパークやキャナルシティ博多などの個性的で充実したショッピングゾーンなどの都会的な魅力に溢れている。一方、博多祇園山笠をはじめ伝統的な祭りや長い大陸との歴史に培われた神社・仏閣、情緒豊かな街並みなどが大切に守られている。そして、玄界灘・周防灘・有明海の3つの海の幸や博多ラーメン、辛子めんたいこ等多様なグルメの宝庫でもある。

こうした観光資源を活かし、本県では平成10〜11年度において第2次の大型観光キャンペーンを実施し、国内観光の振興はもちろん国際観光の推進にも取り組んだ。その結果、全国的に国内観光が厳しいなか本県の平成11年の観光入込客は9年連続の堅調な伸びを示し、前年比4.1%増の8333万8千人となり、過去最高となった。

また、福岡県への入国外国人についても、韓国の経済回復などの要因により対前年比2.7%増の31万3千人となった。但し、観光客一人あたりの消費額は対前年比2.3%減の4362円となっており、観光行動の低価格化が伺われる。

 

(2) 今後の展開

 

大型観光キャンペーンの成果を活かし一層の誘客を図るため、効果的な情報発信や県内各地の観光資源の発掘・商品化など様々なキャンペーンフォローアップ事業を実施することとしている。また、IT革命による情報化社会の急変や高齢化社会の到来など観光をとりまく環境の変化に対応するため、高齢者や障害者などに役立つ情報を盛り込んだ観光パンフレットの製作やインターネット・携帯端末によるきめ細かな情報発信などに取り組んでいくこととしている。

 

 

 

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