特集 福岡県企画振興部交通対策課
福岡県の運輸と観光
1 はじめに
福岡県は、古くから我が国とアジアとの国々との結節地域(クロスロード)として、また、九州各地を結ぶ交通の要衝として発展してきた。
21世紀において、高度情報化の進展や高速交通ネットワークの整備を背景に、更にアジアとの交流が深まるとともに、新たな広域的な交流・連携が進み、市町村域を超え、県境を超え、国境を超えた交流の拡大が見込まれていることから、そのための交通基盤の整備を図り、県土の総体的発展を目指している。
また、本県では平成10年3月に県の総合交通計画である「ふくおか新世紀交通ビジョン」を策定しており、この中で「県土の振興・発展を支える交通」「快適で安全な交通の確保」「新しい時代の潮流に対応した交通」を基本理念に掲げ、空港や港湾などの国際交通基盤、新幹線や高速道路など高速交通基盤の整備を進める一方、移動制約者に配慮した交通、環境にやさしい交通体系の整備を促進することとしている。
2 福岡県の運輸状況について
(1) 旅客・貨物流動の現状
本県における旅客流動量は、平成10年度で約30億人に達している。
旅客移動は、県内移動が大部分を占めているが、県外出入旅客も着実に増加しており、動きが広域化している。九州内では佐賀県、九州外では中国地域が大きなウエイトを占めている。
また、輸送機関別に見ると県内県外ともに自家用自動車が大きなシェアを占めており、県外旅客流動量は自家用自動車、鉄道、航空機、バスの順、県内旅客流動量は自家用自動車、鉄道、バスの順で高くなっている。
(2) 航空について
◆福岡県の空港概況
福岡県内には、国の地域拠点空港(地域ブロックの中心空港)に位置づけられ、広島以西の国際航空需要や福岡・北九州両都市圏の需要をベースに県域を超えて国内航空需要を支えている福岡空港、及び平成17年に滑走路2500mの海上空港として生まれ変わる北九州空港、この2つの空港が運用されている。
福岡空港は、国際線23路線、週240便、国内線29路線、一日最大308便の国内外と緊密なネットワークを有する、旅客数で全国第4位の空港で、地域拠点空港として我が国の航空ネットワークを支えている。福岡空港の需要の伸びは著しく、2000年度は旅客数で2000万人を超えるのではないかと予想されている。また、離着陸回数も急増しており、既に滑走路1本(福岡空港2800m)の空港としては国内第一位であり、本年度は14万回を突破するものと見込まれている。