(財)九州運輸振興センター会長
石井幸孝
アジアのゲートウェイとしての基盤づくりの年にしよう。
新年あけましておめでとうございます。
日本経済は、IT関連の設備投資を背景に緩やかな回復基調にあるとはいうものの、個人消費の低迷などから実物経済では依然と厳しいものがあります。皆様におかれましても日々ご苦労されている中で、新年を迎えられたことと存じます。
そういった中、我々を取り巻く環境は急速に変化しており、世界的規模で大きな時代の曲がり角に来ているといえます。
今世紀はアジアの時代ともいわれている中で、ASEAN+日中韓の首脳会議による東アジア経済圏構想や二国間自由貿易協定の締結交渉など、ダイナミックな動きが始まっております。
また、世界同時的に巻き起こっているIT革命は、世界市場の一体化を急速に進展しています。人・モノ・金・情報の流れが一層広域化、活発化してきております。
そして、これらグローバリゼーションの進展とIT革命を背景に、生産・販売活動が世界規模で行われるようになり、その中枢機能として物流部門が注目されております。
東アジア諸国では、将来のアジア市場での主導権を握るべく、大規模な空港、港湾開発や次世代通信インフラ整備が積極的に進められており、物流分野ではメガコンペティションの様相を呈してきております。
こういったメガコンペティションの時代に当地域が勝ち残るためには、アジアに近い特徴を活かし、域内のネットワークを強化し、各輸送機関の連携を含めた総合力を高めることが必要であります。ますます重要度を増すアジアヘのゲートウェイとして、地域一体となった戦略が必要であり、その進むべき方向を的確に見極める必要があります。
そして、これらの変化に、地域ならではのスピードと柔軟性を活かした戦略を持って対応していくことが必要であります。
当センターは地球環境やサプライチェインマネジメントといった時代の要請を受けて、昨年、名称を(財)九州運輸振興センターに変更し、総合的な見地から人流・物流について調査・研究していく体制を整えました。当センターでは、今後とも激変するアジアの動向を的確に捉え、アジアのゲートウェイとしての基盤づくりを推進するとともに、時代変革の舵取り役としての使命を果たしていきたいと考えております。
今年も日本財団、日本海事財団のご支援、九州運輸局のご指導、そして賛助会員の皆様方のお力添えをいただき、当センターの活動が、賛助会員の皆様方の発展につながり、ひいては九州経済の発展につながるよう、精一杯努力する所存であります。皆様のこの1年のご多幸を心よりお祈り申し上げます。