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2 大分県の運輸状況について

 

(1) 旅客・貨物流動の現状

 

本県における旅客流動量は平成10年度で約13億人に達しており、県内移動が大部分を占めている。県外では福岡県、熊本県、山口県、東京都との間で旅客移動が頻繁であり、特に福岡県との間の旅客流動量は県外旅客流動量の約55%を占めており、同県との密接な関係が窺われる。また、輸送機関別に見ると県内旅客流動量のほとんどが自家用自動車であり、県外旅客流動量は自家用自動車、鉄道、バス、航空機の順で高く、県外旅行でも自家用自動車の占める割合は約60%となっており、本県のマイカー利用の高さが窺われる。

貨物流動量については、平成10年度で約2億トンとなっており、そのうち県内貨物流動量が7割を占めている。県外においては福岡県が最も多く、山口県、山口県以外の中国地方が続いている。また、輸送機関別に見ると県内貨物流動量は圧倒的にトラックが占め、県外貨物流動量においては海運が8割近くを占めている。

以下、大分県の交通体系に関わる各分野毎の状況について述べてみたい。

 

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(2) 航空について

 

1] 大分空港の概況

大分県の航空の中心は大分空港である。同空港は昭和46年10月に現在地に移転され全国初の海上空港として供用開始された。現在、3000mの滑走路を有し、長距離国際専用航空機の離発着が可能である。また、平成11年度からB777-300の誘導路の整備が行われており、より大型な航空機の離着陸を可能にするように取り組んでいる。

一方、大分空港は大分市内から陸路で約52km、海路で約29kmのところにあり、空港へのアクセスは大変重要な課題となっている。陸路において大分空港道路と速見ICの平成13年度中の接続、海路においてはホーバークラフトの大型化による就航率の上昇等により空港アクセスの改善に努めている。特に遠方の観光客にとって、大分空港は重要な交通起点となっており、空港周辺の観光スポットである別府・湯布院等へのアクセス手段の強化を検討しているところである。

 

2] 国内・国際航空路線の現況と今後の展望

大分空港発着の路線は平成12年4月1日現在で国内線5路線18便/日、国際線1路線3便/週が就航しており、年間約200万人に利用されている。国内線は東京路線を中心に伊丹・関西・名古屋・沖縄へ展開しており、その他の地方空港間とも観光需要を中心に新規路線を検討している。国際線については唯一の定期便として大分〜ソウル線があり、大分空港国際化促進期成会を中心に海外との相互交流の促進を図っている。また、第2の国際定期便誘致も検討しており、台湾をはじめとする近距離国際線の開設に向けて国際チャーター便を誘致し、国際定期便実現への実績づくりを行っている。

本年7月1日より、大分空港の運用時間が13時間から14時間になった。将来的には、3000m滑走路と騒音問題の比較的少ない海上空港という特性を活かし、関西国際空港の代替指定空港化を目指したいと考えている。

 

 

 

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