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■基本方針の策定

同法では、主務大臣(国土交通大臣、国家公安委員会及び総務大臣)は、移動円滑化を総合的かつ計画的に推進するため、移動円滑化の促進に関する基本方針を定めるものとされている。

・移動円滑化の意義および目標

・移動円滑化のための公共交通事業者が講ずべき措置に関する基本的要項

・市町村が策定する基本構想の指針   /等

■公共交通事業者が講ずべき措置

公共交通事業者に対し、旅客施設の新設、大改良、あるいは車両の新規導入の際には、同法に基づいて定められるバリアフリーの基準(移動円滑化基準)への適合を義務づけている。また、既存の旅客施設・車両については努力義務としている。

 

表2-1-1 「交通バリアフリー法」における移動円滑化基準への適合対象

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■重点整備地区におけるバリアフリー化の重点的・一体的推進

市町村は、基本方針に基づき、一定規模の旅客施設(「特定旅客施設」*1)を中心とした地区(「重点整備地区」)*2において、旅客施設、周辺道路、駅前広場、信号機等のバリアフリー化を重点的かつ一体的に推進するため、当該重点整備地区におけるバリアフリー化のための方針、事業等を内容とする「基本構想」*3を作成することができるとされている。

*1) 特定旅客施設:市町村が基本構想を作成することができる「特定旅客施設」とは次のいずれかの条件を満たす旅客施設をいう。1] 1日の利用者数が5,000人以上の旅客施設/2] 当該市町村の高齢化率等の地域の状況から見て、高齢者・身障者の利用数が上記の旅客施設と同程度と認められる旅客施設/3] そのほか徒歩圏内に当該旅客施設を利用する相当数の高齢者・身障者等が利用する施設が存在し、当該旅客施設の利用状況から、移動円滑化事業を優先的に実施する必要が特に高いと認められる施設。

*2)地区の範囲については、旅客施設から徒歩圏内を想定しており、概ね旅客施設から500m〜1kmとされている。

*3)基本構想の内容としては、次のものが挙げられる:目標時期/重点的に整備すべき地区(鉄道駅および周辺の福祉施設、病院・官公庁等を含む地域)/整備を行う経路、整備の内容 など

また、公共交通事業者、道路管理者および都道府県公安委員会は、基本構想に従って、それぞれ具体的な事業計画を作成し、バリアフリー化のための事業を実施することとされている。

*)事業の例としては、次のものが挙げられる:エレベータ・エスカレータの設置、使いやすい券売機の設置、低床バスの導入、/歩道の段差解消、視覚障害者用信号機の設置など

なお、海上旅客輸送についてみると、旅客船ターミナル等が、基本構想の対象となりうる

 

 

 

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