III. 里山を核とした地域づくり
1. 地域づくりの実践事例
1)先進事例に学ぶ
地方分権の時代を迎えている今、各地で「住んでいることを誇りにできるまちづくり」が進んでいる。そこに共通してみられるのは内発型の発展とでもいうべきものである。つまり、まずは住民、あるいは住民と行政が地域づくりのグランドデザインを描き、地域にふ存する資源を発見し、それを持続的に活用しつつ「まち」を活性化するという「運動」である。そのような「運動」をエコミュージアムと名付けたり、あるいは「まちづくり」などとよんでいる。また、その対象を行政区全体とするもの、特定の地区に限ったもの等様々である。そして、事業主体も行政であったり、住民であったり、あるいは行政と住民とが協同したものであったりする。
私たちの進めているエコミュージアムは、これら内発型の発展とその考え方においては軌を一にするものである。それだけにこれら事例から学ぶことは極めて有益である。昨年から実施してきている先進事例の調査はこのような趣旨に基づいている。
本年度は、以下の地域を訪問し調査を行ってきた。
(1)雪国植物園(新潟県長岡市、2000年7月25-26日)
(2)宍塚大池、宍塚の自然と歴史の会(茨城県土浦市、2000年7月30日)
(3)滑川町エコミュージアムセンター(埼玉県滑川町、2000年9月10日)
(4)朝日町エコミュージアム(山形県朝日町、2000年10月12-15日)
(5)綾町(宮崎県綾町、2000年11月17-20日)
それぞれの調査結果については次に掲げる。私たちの事業に引きつけての、これらの結果についての論議は次回(第3年次報告)に譲り、ここでは簡単なコメントを付するに止める。
なお、調査にご協力下さった方々には私たち心からの謝意を表したい。